2024年1月から新NISAが始まり、多くの人が資産運用に関心を持っています。一方で「投資信託って何?」と疑問を抱く投資初心者も少なくありません。
この記事では、投資信託の基本やメリット、注意すべきリスクをわかりやすく解説します。記事を読めば、投資初心者でも投資についての理解が深まり、効率よく資産を増やせます。
投資信託を活用すれば少額からでも投資を始められます。プロが運用するため、市場の動向を追う必要はありません。
投資信託とは
投資信託は資産を増やしたい人にとって魅力的な投資商品です。まずは投資信託の基礎から学んでいきましょう。
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投資信託の歴史と発展
1868年にイギリスで「フォーリン・アンド・コロニアル・ガバメント・トラスト」という世界初の投資信託が誕生しました。当時のイギリスは、国内に有望な投資先がなかったので、海外投資が盛んでした。
イギリスで投資信託の仕組みが作られたのちに、アメリカにわたって発展。1924年、アメリカ初の投資信託「マサチューセッツ・インベスターズ・トラスト」が誕生し、投資信託がさらに普及しました。
アメリカでは第二次世界大戦後に経済成長が進み、1950年代には投資信託の数が急増しました。1970年代から1980年代にかけてはグローバル化により、国際的な投資信託が出現。1980年代後半から1990年代には株式市場の成長とともに、投資信託の資産総額も大幅に増加しました。
時代が進むにつれ、金融危機や市場変動を経験し、リスク管理と透明性向上を目指す規制が強化されてきました。現在では、投資先が多様化し、個人から機関投資家まで幅広く利用しています。
投資信託の仕組み
投資信託は、投資家が投資信託の商品を購入し、集まった資金をプロの運用会社が株式や債券、不動産に投資する仕組みです。投資信託にはさまざまな商品があるので、個人投資家にとって非常に魅力的な投資手段です。
投資信託に関わる人
投資信託の仕組みは、投資家、運営会社、信託銀行の3つで成り立っています。
- 投資家:資金を提供し、投資信託の利益を受ける個人や法人
- 運用会社:投資家から集めた資金を運用し、資産増加を目指す会社
- 信託銀行:運用会社と投資家の間に立ち、資産の保管や管理を行う役割
それぞれの立場の人が異なる役割を果たしながら、投資家の利益のために協力して投資信託を支えています。
基準価額とは
基準価額とは、投資信託1口当たりの価値のことです。投資信託を購入、または売却する際の価格の基準となります。投資信託で保有する資産の総額を、信託の発行済み口数で割って算出される仕組みです。
投資信託が投資している資産(株式や債券、不動産など)の市場価格が変動すれば、基準価額も変わります。市場が好調であれば基準価額が上がり、市場の不振や資産価値の下落は基準価額を下げる要因となります。
基準価額は投資信託のパフォーマンスを評価する上で不可欠な指標ですが、基準価額のみを判断基準にしてはいけません。基準価額はあくまで一時的な市場価値を反映したものであり、将来の運用成績を保証するものではないからです。
市場の変動や経済情勢の変化は予測不可能です。投資信託の運用方針やリスク管理の方法、運用会社の実績など、複数の視点から総合的に評価することが重要です。
収益の分配方法
投資信託では、運用から生じる収益(配当金や利息収入、資産売却など)が投資家に分配されます。収益の分配方法は以下の2つです。投資家の希望によって選択できます。
- 分配金を受け取る
- 投資信託で出た収益を現金として受け取る方法。定期的な収入を望む人におすすめ。分配金が支払われると投資信託の基準価額が下がる傾向にあるので注意が必要。
- 分配金を再投資
- 投資信託で出た収益を現金として受け取らずに、そのまま投資信託に再投資する方法。複利の力で資産を長期的に増やしていきたい人におすすめ。
投資信託のメリット
投資信託には、以下のようなメリットがあります。
- 少額から投資できる
- 複数の資産に投資することでリスクを分散できる
- 専門家が運用してくれる
- 自分の投資目的に合った商品が選べる
- 解約手数料が不要なものや低コストな投資信託もある
- 手軽に国際分散投資が行える
- 税制上の優遇措置を受けられる場合がある
少額から投資できる
投資信託は少額から投資可能で、100円からできるものもあります。少額でも定期的な積立投資を活用すれば、着実に資産を形成することが可能です。
オンライン証券を利用すれば手数料を抑えて投資ができます。NISA(少額投資非課税制度)の場合は税制優遇を受けられるので、税金の心配をせずに少額投資を行えます。
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分散投資によりリスクが軽減できる
投資信託にはさまざまな投資商品があるので、分散して投資できます。投資先を分散することで、一部の市場が不振でも、他の投資でバランスを取ることが可能です。
証券会社に投資アドバイスをもらえるAIサービス「ロボアドバイザー」を利用するのも1つです。市場の変動に強いポートフォリオを組んで、リスクを抑えながら投資を行いましょう。
プロに運用管理してもらえる
プロが運用管理を行うこともメリットの1つです。投資信託では投資家の代わりに、運用会社の専門家が日々の市場を監視し、銘柄の選定を行います。最新の情報に基づいて適切に運用し、資産配分を調整してくれるので、初心者でも安心して投資ができます。
投資家は市場の動向を常に追う必要がありません。投資信託を活用して、手間をかけずに効率的な資産運用を実現しましょう。
豊富な選択肢がある
投資信託には、以下のようにさまざまな種類の商品があります。
- 株式投資信託
- 株式市場に投資し、株価の上昇による利益を目指す商品
- 債券投資信託
- 国や企業が発行する債券に投資し、利息収入や債券価格の上昇を目指す商品
- 不動産投資信託(REIT)
- 商業施設やオフィスビル、住宅などの不動産に直接投資することで賃貸収入や不動産の売却益を得る商品
- コモディティ投資信託
- 金や原油、農産物などの実物資産(コモディティ)に投資する商品
- マネーマーケットファンド(MMF)
- 政府短期証券や商業紙などに投資することで、低リスクで安定した収益を目指す商品
- 上場投資信託(ETF)
- 株式や債券、商品指数など特定の指数に連動するパフォーマンスを目指して運用される商品
» ETFと投資信託の違いを徹底比較! - インデックス投資信託
- 特定の株価指数や債券指数に連動するパフォーマンスを目指して運用される商品
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上記の投資商品やカテゴリーはほんの一部です。ESG投資やSDGs関連の社会的責任投資ファンドなど、社会への貢献を意識した投資オプションなどもあります。時代が進むにつれてより多くの選択肢ができたので、自分に最適な投資信託を見つけられるでしょう。
投資信託のリスク
投資信託には多くのメリットがある一方で、以下のようなリスクも存在します。投資を始める前にリスクを理解し、適切な準備と対策を行いましょう。
- 市場リスク
- 株価の変動や金利の変動など、市場環境の変化により価値が下がるリスク
- 信用リスク
- 資産(債権など)の発行者が破綻するなどして、元本や利益を失う可能性があるリスク
- 流動性リスク
- 投資信託の売却時に十分な市場がなく、公正な価格で即座に売却できない可能性があるリスク
- 為替リスク
- 外貨建ての資産に投資している場合、為替の変動により国内通貨価値での損失が発生するリスク
- インフレリスク
- インフレにより購買力が低下し、投資信託の実質的価値が減少するリスク
- 利回りリスク
- 予想されていた配当や利息が得られない、または期待していたよりも低いリスク
- コストリスク
- 運用管理費用やその他のコストが投資の利益を圧迫するリスク
上記のリスクの中から主な3つのリスクについて詳しく解説します。
市場リスク
市場リスクは、経済の景気変動により投資信託の価値を左右する最も一般的なリスクの1つです。市場リスクを高める要因として、世界で大きな出来事が起こった場合や政治の不安定化、自然災害、通貨価値の変動などが挙げられます。
株式への投資信託は、株式市場の変動に直接影響を受けるため、市場リスクの影響が顕著です。一方で債券への投資信託は、金利の変動が主な市場リスクです。
投資家にとって市場リスクはつきものですが、分散投資によってリスクを軽減できます。特定の市場の下落が投資成績に与える影響を最小限に抑えられるので、分散投資を検討しましょう。
信用リスク
信用リスクとは株式や債券などの投資商品が、発行者の財務状況の悪化によって利益や元本を失ってしまう可能性を指します。
債権において信用リスクの「格付け」というものがあり、民間の会社が債権ごとに格付けを行います。一般的に格付けの高い債券ほど利回りが低い傾向です。
信用リスクを軽減するには、市場の変動や経済情勢の変化に敏感に反応し、信用リスクが高まる兆候を察知することが大切です。適切なリスク管理と慎重な投資選択を心がけましょう。
流動性リスク
流動性リスクとは、資産をすぐに現金に変えることが難しいケースを指します。資産を手放したいと思ったときにすぐに売れなかったり、予想よりも低い価格でしか売れなかったりする場合があります。
投資信託は比較的流動性の高い投資商品ですが、経済が大変なときや市場が不安定なときは、資産を現金化する人が多いです。多くの人が資産を現金化すると流動性が低下し、一部の投資信託の売買が難しくなる傾向にあります。
流動性リスクを軽減するためには、分散投資を心がけ、投資期間や自身の資金ニーズに合わせて選択することが重要です。市場の状況や経済情勢に応じて、定期的にポートフォリオの見直しを行いましょう。
まとめ
投資信託の基礎やメリット、リスクについて以下のように解説しました。
- 投資信託は多くの人から資金を集め、株式や債券などに投資する仕組みで、プロの運用会社が管理する
- 少額から投資が可能で、分散投資によりリスクを軽減できる
- 運用会社が市場の動向に応じて投資戦略を変更し、資産を適切に再配分する
- 投資信託にはさまざまな投資商品があり、投資家のニーズに応じた選択が可能である
- 投資にはリスクが伴うため、適切な準備と対策が必要とされる
投資信託は、資産を増やしたい人にとって魅力的な選択肢です。少額から始められる手軽さやプロによる運用、多様な投資商品から自分に合ったものを選べる点が大きなメリットです。
しかし、投資にはリスクも伴うので、仕組みを理解し、慎重に投資先を選定することが重要です。賢い投資信託の活用で、長期的な資産形成を目指しましょう。
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