インデックス投資を始める人が増えていますが、失敗するのが怖くて始められないと悩んでいませんか?
この記事ではインデックス投資で失敗する原因や失敗例、成功に導く戦略を解説します。記事を読めば、インデックス投資の基本や、目標の資産にたどりつく戦略が理解できます。投資を始める前に知っておきたいポイントが満載なので、ぜひ最後までお読みください。
なぜインデックス投資で失敗してしまうのか?
インデックス投資信託とは、市場の平均的なリターンを目指し、特定の株価指数に連動する運用を行う投資信託です。正しい知識を持って運用すれば資産が増えます。しかし、中には失敗する人もいます。
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インデックス投資で失敗する原因は以下の3つです。
- 目的がはっきりしていない
- 情報に振り回される
- リスクを把握できていない
目的がはっきりしていない
投資初心者に多い失敗が、明確な投資目的を持っていないことです。インデックス投資は長期運用での資産形成に適しているため、短期間で大きなリターンを期待してはいけません。
自分がいつまでに、どのくらいの資産を形成したいのかをはっきりさせないと、目標には近づけません。投資目的を明確にすることは、適切な資産配分や投資期間を決定する上で不可欠です。
情報に振り回される
SNSやメディアを通じて、他の人の情報に振り回されて失敗する人は多いです。「投資で儲かった」というような発信が頻繁にされていますが、必ず同じように資産が増えるとは限りません。
他の人の資産状況を見ると、できるだけ早く、多くのお金を投資しないといけないと思ってしまいがちです。結果として、積み立ての継続が難しくなり、長期運用ができなくなってしまいます。
インデックス投資ができる新NISAを使えば、非課税で運用可能です。焦る必要はありません。情報に惑わされずに、客観的な分析と自身の投資計画を基に行動しましょう。
リスクを把握できていない
インデックス投資は低リスクといわれていますが、ノーリスクではありません。市場の値動きは上昇と下降を繰り返すため、投資期間中に価値が減少することもあります。
リスクを正しく理解していないと、株価の下落時に慌てて売却してしまったり、不利な行動を取りやすくなったりします。リスクを正確に把握し、冷静な判断を行いましょう。
インデックス投資の失敗例
インデックス投資の手軽さや安全性のイメージに安心しすぎると、失敗につながる場合もあります。ここでは、多くの投資家が犯しがちな失敗例を、具体的に解説します。同じ失敗をしないように気をつけましょう。
タイミングを間違えた売買
インデックス投資における一般的な失敗の1つは、タイミングを間違えた売買です。市場のピークや底を正確に予想することが非常に難しいので、市場の短期的な動向に左右されてしまう可能性があります。
インデックス投資は長期運用に向いています。値動きの一時的な上昇や下落によって、本来の投資戦略を見失ってはいけません。感情に流されやすい人は、欲や恐怖に駆られて行動してしまう可能性があるので、気をつけましょう。
短期取引も投資知識がない人にとっては危険です。短期取引は市場の変動を利用して利益を得る方法ですが、取引コストが高くなるだけで、利益を減少させる可能性があります。インデックス投資では頻繁な取引をしないように心がけてください。
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ポートフォリオの設計ミス
自分のポートフォリオ(資産配分)の設計ミスも大きな失敗につながる可能性があります。ポートフォリオは、投資家のリスク許容度や投資目標、投資期間に合った構築をしなければなりません。しかし、以下の3つのことを意識しないせいで、資産を減らすことになるケースが多いです。
- リスクを考慮していない
- 投資家のリスク許容度に応じて、株式や債券の比率を調整することが重要です。1つの投資商品に集中してしまうと、株価が落ちたときに耐え切れず損切りせざるを得ない状況になります。
- 投資期間や投資目標に合わせた配分を怠っている
- 自身の年齢や資産に応じたポートフォリオを組まないと、目標としている資産にいつまでもたどりつきません。ライフステージごとにリスク許容度や投入資金も変わるので、客観的に自身の状況を見ることが大切です。
- 定期的にポートフォリオを見直していない
- 投資期間が長期にわたる場合、市場の成長によってポートフォリオ内の資産配分が元の計画からずれていることがあります。年に1度など、定期的に自分の資産を見つめ直さないと、得られる利益も得られません。
インデックス投資におけるポートフォリオの設計は、開始時だけでは不十分です。自分のリスク許容度を正しく見積もって、柔軟な資産配分を行いましょう。
コストの高いファンドを選んでしまう
投資商品を選ぶ際には、運用コストを考慮することが重要です。運用コストには以下の種類があります。
- 販売手数料
- 投資商品を購入する際に発生する手数料で、購入金額の一定割合で設定されます。商品によっては0円の場合もあります。
- 信託報酬
- 運用会社に投資信託を運用・管理してもらうための経費です。投資信託を保有している間、投資家が支払い続けます。信託報酬は資産から日々引き落とされるため、投資成果に直接影響します。
- 信託財産留保額
- 投資信託を解約する際に支払う費用です。一般的には投資商品の0.3%程度ですが、差し引かれない投資信託も多くあります。
運用コストを知っておかないと、利益率が高い商品を選んでしまいがちです。利益率ばかり気にすると、運用コストが多くかかってしまい、理想的なリターンがもらえない可能性もあります。
上記以外にも「スプレッド」と呼ばれる売値と買値の取引コストや税金がかかります。コストが高いファンドは避けて、賢い買い方を身につけましょう。
失敗を避けるインデックス投資の戦略
投資初心者からベテランに至るまで、多くの投資家が、陥りがちな失敗を避けるには明確な戦略が必要です。ここでは、インデックス投資で成功を収めるための戦略を紹介します。戦略を理解し実行することで、インデックス投資のメリットを最大限に活用できるでしょう。
自分のリスク許容度を理解する
まずは、自分がどのくらいのリスクを受け入れられるかを知ることが大切です。リスク許容度は年齢や資産状況によって異なります。リスク許容度を自己分析し、適切に設定するための具体的な方法は以下のとおりです。
- 投資時のストレスを確認する
- 投資によって生じる可能性のあるストレスに、自分がどの程度耐えられるかを確認しましょう。すべての投資にはリスクが伴います。市場の変動によって、資産価値が減少した場合の心理的影響を想定し、冷静に対処できるかを事前に確認してください。
- 投資目的や投資期間、収入に応じたリスクレベルを設定する
- 投資の目的(老後資金の確保や子どもの教育資金の準備など)や投資期間、現在の収入を把握しましょう。把握することで、自分の状況に見合ったリスクレベルを設定でき、衝動的な売買を防げます。
- 過去の市場の変動を研究し、自身の行動をシミュレーションする
- 過去の大きな市場の変動を知って、自分が似たような状況に直面したときに、どのような行動を取るかをシミュレーションしましょう。市場の暴落に冷静さを保てるか知っておくことが大切です。
- 専門家に相談する
- 投資初心者は、自分だけの感覚でリスク許容度を把握するのが難しいので、専門家に相談するのも1つです。ただ、専門家が薦める投資商品には、運用コストの高い商品が含まれている可能性もあるので、気をつけましょう。
- 変化する生活状況に応じて調整する
- リスク許容度は一生にわたって一定ではありません。経済状況の変化や市場の動きなど、多くの要因によって変わります。人生の大きなイベント(結婚や家の購入、子どもの誕生など)の後や、経済的に大きな変化があった場合は、見直す良い機会です。
どこまでのリスクが取れるかを把握することは、賢明な投資判断のために必要なステップです。
手数料の低い商品を選ぶ
手数料の低いファンドの選ぶことも資産形成において非常に重要です。とくに長期投資の場合、わずかな手数料の差が複利を通じて大きな違いを生み出します。
投資商品は、オンライン証券を通じて購入しましょう。窓口で対応する銀行や証券会社は、手数料が多い商品を薦めてくる可能性があるため、注意が必要です。
インデックスファンドは、アクティブファンドより手数料が低い傾向にあります。リターンが大きいアクティブファンドは、リスクがある程度取れる際に検討してください。長期運用で資産形成をする人は、オンライン証券で、手数料の低いインデックスファンドを選びましょう。
積立投資の利点を活かす
大きな金額を一括で投資すれば、大きいリターンを得られる場合がある一方で、市場の影響を受けやすいです。長期で運用するのであれば、定期的に一定の金額を投資しましょう。積み立て投資のメリットは以下のとおりです。
- 値動きに左右されにくい
- 積立投資は市場が上昇しているときは少ない株数を、市場が下落しているときは多くの株数を購入します。値動きに左右されない買い方なので、価格変動を気にすることがありません。市場の動向や予測を専門家ほどしなくて良い点もメリットです。
- 自動投資によって貯蓄習慣が身につく
- 積立投資は、自動的に投資が行われるため、貯蓄習慣を身につけやすいメリットがあります。余剰資金で無理なく、継続的に投資を行うことが大切です。
- 複利効果を最大限に活用できる
- インデックス投資は、投資資金だけでなく、生まれた利益も再投資される仕組みです。時間が経つにつれて資産の成長速度が加速します。積み立てをすることでより複利の効果が実感できます。
- 感情による売買の抑制
- 市場が急激に変動しても、定額の投資を続けることで、冷静な投資判断を保てます。
分散投資を徹底する
分散投資は、投資リスクの管理と収益の安定化を目指す基本的な戦略です。市場の予測が難しいので、投資先を分散することで、経済の変化に柔軟に対応できます。以下で、分散投資の実践方法と重要性について詳しく解説します。
- 異なる資産を持つ
- 株式や債券、不動産、金など、異なる資産の投資が重要です。市場の状況に対して、異なる反応を示すため、一部の資産が不振のときでも全体のバランスを保てます。株式市場が下落しているときに、債券や不動産が安定したパフォーマンスを維持することが多いです。
- 地域別や業種別で分散する
- 株式や債券を地域別や業種別に分けて投資することも大事です。異なる国や地域に投資することで、特定地域の経済状況に左右されにくくなります。異なる産業や業種への投資は、一部の業種が不振のときでも他の業種が補うことを可能にします。
市場は常に変動するため、投資のバランスを定期的に見直し、計画通りの資産配分を維持することが必要です。分散投資をしっかりと行うことで、市場に影響されにくい投資ができます。
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長期運用を意識する
インデックス投資で失敗を避けるためには、長期的な視点を持つことが重要です。市場の短期的な変動に惑わされず、定めた投資目標に向けて忍耐強く投資をする必要があります。
退職資金の確保や子どもの教育費用の準備、家の購入など、具体的な目標を持つことで、投資計画を立てやすくなります。投資計画を立てる際には、短期的な利益よりも長期的な成長を重視しましょう。
まとめ
インデックス投資で失敗しないためのポイントを、以下のように解説しました。
- 投資目的を明確にし、長期的な視野で資産形成を目指す
- 情報に振り回されず、客観的な分析と自身の計画に基づく行動を重視する
- リスクを正しく理解し、市場の値動きが上下するのを理解する
- 手数料の低い商品を選び、積立投資で複利の効果を最大化する
- 分散投資を徹底し、リスク管理を行う
- 市場の短期的な変動に惑わされない
インデックス投資は、適切な知識と戦略があれば、リスクを抑えながら資産を増やせる効果的な方法です。投資初心者からベテランまでが利用するインデックス投資は、市場にどれだけ長くいられるかが鍵になります。計画を入念に組んで、自分が掲げた目標に進めるよう賢明な資産形成を実現してください。
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