2024年1月の新NISA導入に伴い、投資に関心を持つ人が増えています。しかし、インデックスファンドと投資信託の違いはご存じですか?
本記事では、2つの金融商品の基本的な違いを明確にし、それぞれのメリットとデメリットを詳しく解説します。この記事を読めば、自分に合った投資選択ができるようになります。
インデックスファンドと投資信託の特性を理解し、賢い資産運用への一歩を踏み出しましょう。
インデックスファンドと投資信託の違い
多くの投資初心者を悩ませるのが、インデックスファンドと投資信託の違いがわからないことです。似ているように見えますが、それぞれの特性を理解すると、違いがわかってきます。
結論、インデックスファンドは投資信託を構成する投資タイプの1つです。投資戦略を考えるうえで、インデックスファンドと投資信託の違いを理解することは非常に重要となります。
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インデックスファンドとは
インデックスファンドは、特定の市場指数に連動するように運用されるパッシブ運用を採用している投資信託の1つです。以下のテーマでインデックスファンドについて詳しく解説します。
- インデックスファンドは投資信託の1つ
- インデックスファンドのメリット
- インデックスファンドのデメリット
インデックスファンドは投資信託の1つ
インデックスファンドは、投資信託の1つです。市場全体の動きを表す代表的な指数(インデックス)に連動するように設計されています。
新NISAが2024年から始まり、多くの方が投資に興味を持つようになりました。インデックスファンドは、低コストで運用できる長期運用に適した投資信託なので、投資初心者でも気軽に始められます。
インデックス投資のメリット
インデックス投資は初心者でも取り組みやすい投資方法で、以下のようなメリットがあります。
- 特定の銘柄のリスクを回避
- インデックスファンドは、特定の市場指数に投資するため、個々の銘柄のリスクに左右されない投資商品です。
- 低コスト
- 銘柄選定や運用に手間がかからないため、信託報酬などの運用にかかるコストが低く抑えられます。
- 長期運用で安定したリターン
- 運用しているなかで値動きがあるものの、市場が伸びれば安定したリターンを得られます。
- 運用に関する専門知識が不要
- 個別の銘柄選定や市場のタイミングを判断する必要がないため、運用に関する専門知識が不要です。
- リスク分散効果
- 複数の銘柄に投資する仕組みになっているため、自動的に分散投資となりリスクを減らせます。たとえば、アメリカ株の「S&P500」に投資すれば、アメリカの500社に投資したことになるので、自然とリスクが分散できる仕組みです。
インデックスファンドは初心者でもベテランでも、長期的な資産形成を目指す方には鉄板の投資商品です。
インデックスファンドのデメリット
インデックスファンドは、多くの投資家にとって魅力的な選択の1つですが、以下のデメリットがあります。
- 市場を上回るリターンが出ない
- 市場の値動きに連動したリターンを得られますが、市場を上回るパフォーマンスは出せません。
- 市場が下落した際に資産価値も下がる
- 市場の値動きに連動しているので、市場の価値が下落した際に、インデックスファンドの価値も下落します。
- 銘柄が選択できない
- インデックスより高いパフォーマンスを発揮する個別銘柄はあります。しかし、インデックスファンドでは個別に銘柄を選べないので、個別銘柄を選択した際の恩恵は受けられません。
- 柔軟に対応しにくい
- 投資初心者の多くは、インデックスファンドから投資することが多いです。しかし、ほったらかしにしても自動で調整してくれるので、投資の勉強をしない人がいます。投資知識が浅いと、市場が下落したとき柔軟に対応できません。
以上のデメリットを理解し、自身の投資目的やリスク許容度を慎重に考えましょう。どの投資方法も、特性を理解し、賢明な選択をすることが重要です。
投資信託とは
投資信託は、投資家から集めたお金を専門家が国内外に分散投資し、成果が出た運用成果を投資家に分配する金融商品です。上記で説明したインデックスファンドも投資信託の1つです。
以下のテーマでインデックスファンドについて詳しく解説します。
- 投資信託の種類
- 投資信託のメリット
- 投資信託のデメリット
投資信託の種類
投資信託にはさまざまな種類が存在し、自身の投資方針によって最適な投資信託が変わります。以下の種類を参考に、目的やリスク許容度に応じて、適切な投資信託を選択しましょう。
- 株式
- 株式市場に投資し、株価の上昇から利益を得る投資信託です。長期的な資本増加に適しており、経済の成長に伴い企業の利益が増えれば、投資した資金も増加する可能性があります。
- 債券
- 債券投資信託は、国や企業が発行する債券に投資し、利息収入を通じて安定した利回りを目指す投資信託です。市場の不安定な動きに対して比較的安全な選択肢であり、定期的な収入を求める保守的な投資家に適しています。
- 不動産(REIT)
- 不動産投資信託(REIT)は、不動産に直接投資し、賃貸収入や売却益から収益を得る投資信託です。不動産市場の動向に影響されますが、他の金融資産とは異なるリスク・リターンがあります。
- コモディティ
- コモディティ投資信託は、金や石油などの天然資源に投資する投資信託です。市場のインフレや通貨価値の変動から資産を守る手段として有効で、資産のリスク分散に使われます。
投資対象となる資産別に種類を分けましたが、他にも以下の種類に分けられます。
- マネーマーケットファンド(MMF)
- MMFは短期の金融商品に投資し、低リスクで安定したリターンを狙う投資信託です。短期的な資産運用に適しています。
- マネー・リザーブ・ファンド(MRF)
- 毎日決算を行い、安全性の高い国内外の公社債や短期の金融商品を中心に運用する公社債投資信託です。
- インデックスファンド
- 特定の株価指数に連動するように運用される低コストの投資信託です。市場全体の動きを捉え、安定したリターンを求める投資戦略に適しています。
- アクティブファンド
- プロの運用マネージャーが市場分析に基づいて積極的に銘柄を選定し、市場平均以上のリターンを目指す投資信託です。
- 上場投資信託(ETF)
- ETFは金融商品取引所に上場している投資信託です。流動性が高く、手軽に売買が可能で、短期的な市場の動きに対応した投資戦略を取りやすいのが特徴。
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投資信託のメリット
投資信託は多くの投資家が利用しているには、以下のメリットがあるからです。
- 分散投資が容易に行える
- 個別に多くの銘柄を選ぶ必要なく、自動的に分散されたポートフォリオを持てます。特定の企業や産業が不調でも投資全体に与える影響を最小限に抑えられます。
- 初心者でも少額から投資を始められる
- 投資信託は専門知識がなくても、最小限の資金で全世界の株式や債券市場に投資できる投資商品です。
» 株の買い方をマスターしよう - 投資先の選定や運用を委託できる
- 投資の選定や運用をプロのファンドマネージャーに委託できるため、自分で投資先を選定する手間がなく、安心して投資を行えます。
- 長期的に安定したリターンが期待できる
- 多くの投資信託は長期的な視点で設計されており、時間をかけて安定したリターンを得られます。
- 税制面での優遇措置を受けられる
- 新NISAを活用すれば、1,800万円まで非課税で資産運用でき、効果的に資産を増やすのであれば、必須の制度です。
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以上のメリットを踏まえると、投資信託は資産形成における非常に有効な手段です。とくに投資初心者は、投資信託から始めて、投資の勉強をしていきましょう。
投資信託のデメリット
投資信託には上記のメリットもありますが、デメリットもあります。以下のデメリットがあるので、どのように対処していけばよいかを理解しましょう。
- 管理費用や信託報酬が発生する
- 投資信託を利用する際には、ファンドの運用に伴う管理費用や信託報酬という費用が発生します。ファンドの運用成績から直接引かれるため、投資リターンを減少させる可能性があります。投資家はコストの低いファンドを選択し、コストとパフォーマンスのバランスを慎重に評価しましょう。
- 運用成績が市場平均に満たない可能性がある
- アクティブファンドでの運用は、市場平均以上のリターンを目指しますが、必ず高いパフォーマンスが出るとは限りません。実際に多くのアクティブファンドが市場平均に達しておらず、運用に関するコストやファンドマネージャーの運用戦略が原因で、資産が増えない可能性もあるので気を付けましょう。
- 解約時の時価に応じた損失リスクがある
- 投資信託は市場の状況によって価値が変動します。とくに市場が不安定な時期に投資信託を解約すると、投資元本よりも低い価格で売却してしまう可能性があるので気を付けてください。
- 換金しにくい場合がある
- 閉鎖型の投資信託や特定条件下でのみ解約が許されるファンドでは、資金をすぐに必要とする場合に換金しにくい問題があります。投資信託を選ぶ際は、解約条件を確認し、自身の資金に合った商品を選択しましょう。
- 分配金を再投資しないと福利効果が得られない
- 分配金を再投資せずに受け取ってしまうと、複利効果を得られません。長期的な資産成長には複利を最大限に活用する必要があるので、再投資プランのあるファンドを選びましょう。
- 選択肢が多すぎて適切なファンド選びが難しい
- 選択肢が多いのはメリットにもなり、デメリットにもなります。投資は目標やリスク許容度に基づいて適切なファンドを選ばなければなりません。とくに投資初心者は事前の綿密なリサーチを行いましょう。
以上のデメリットを踏まえ、自分の投資戦略に合った投資信託を選んでください。
おすすめのインデックスファンド戦略
長期的な資産形成をしたいのであれば、新NISAを活用して、非課税で積立を行いましょう。
まずは、自身の投資目標を明確にします。人生のなかで、車や家の購入、子供の学費など、どれくらいお金をいつまでに作りたいかを考えましょう。目標を設定すれば、投資期間や必要なリターン率を見積もれます。
次に、どこまで投資に資産を投入できるかを把握し、資産配分を決めます。どれくらい投資できるかが決まれば、ポートフォリオ組んで、リスク分散を行いましょう。多くのインデックスファンドがありますが、なるべく低コストの商品を選ぶことが重要です。
投資した後は、運用会社が市場の値動きに連動して運用してくれるので、長期目線で保有しましょう。価値が下がることもありますが、根気強く資産を持ち続けることが大切です。
分散投資としてのインデックスファンドの役割
資産形成において分散投資は非常に重要です。分散投資を担う投資商品の1つとして、インデックスファンドは重宝されます。
インデックスファンドは、幅広い株式や債券に投資することで自動的に分散を図る投資商品。市場全体の動きに連動する設計になっているため、特定の銘柄のリスクを避けられます。
1つの企業が不振になったとしても、他の企業が成長していればカバーできるので自然と分散できます。経済全体が成長すれば自ずと資産も増えていくので、時間をかけて、リスクを減らしながら資産を増やすことが可能です。
インデックスファンドの選択基準
インデックスファンドを選ぶうえで、基準となるポイントは以下のとおりです。
- 対象となる指数の選定
- コスト(信託報酬の低さ)
- ファンドの運用規模
- 追加コスト(購入時手数料、売却時手数料など)の有無
- 売買のしやすさ
- ポートフォリオの見直し
上記のポイントを意識しながら自分に戦略に合った基準で選びましょう。目的に合ったファンド選びが、資産を増やす近道です。
まとめ
インデックスファンドは投資信託の一種であり、特定の市場指数に連動するように設計されています。投資信託は、投資家から集めたお金を専門家が国内外に分散投資し、成果が出た運用成果を投資家に分配するものです。
投資信託のメリットとして、投資先を多様化や時間と労力の節約、少額投資から可能などがあります。しかし、高い運用コストがかかる商品もあり、市場の変動に強く影響を受けるため注意が必要です。
インデックスファンドのメリットとして、 低コストや特定の銘柄リスクの回避、市場の平均的なリターンを得られる点などが挙げられます。一方、市場を上回るリターンの追求ができない、選択の自由度が低い点などのデメリットに注意しましょう。
長期投資、分散投資をしたいのであれば、インデックスファンドを購入するのがおすすめです。自身の投資目的に合ったインデックスファンドや投資信託を選んでください。適切な投資戦略を立てて、賢い資産形成を行いましょう。
» インデックス投資を失敗させない攻略法